UnderBridge@ディベートブログ

英語ディベートに関するブログです。初級者向け資料、大会感想、etc… 暇潰し程度にご覧下さい。

【閑話休題】オンラインディベートのプラットフォーム

こんばんは。後輩に「せっかく休みなんだし、何か書いて」という最低な前振りを受けたUnderBridgeです。結局書いてますけどね…。

 

HPDU西日本オープンやHPDU連盟杯など大型大会での採用や、Mixideaなどの練習環境が普及により規模が拡大している、オンラインディベートについて少し書いてみようかと思います。

 

オンラインディベートの良し悪しに関しては様々な意見が出ているところであり、ディベート的な観点からも様々な意見が出ることは大事だと思います。この記事を、僕自身の意見を述べるものにすることもできますが、他の方が書いている内容と大差が無くなりそうなので、そのようなことをするつもりはありません。

ただ、インクルーシブな環境(誰もがアクセスできる環境)という面は考えながらやっていく必要はあるとは個人的に思っています。特定の人々だけのものになってしまうと、新規に参加したいと思っている方々のハードルが上がってしまう気はします。

(※現状を批判する意図はない、という点はご理解下さい。個人的には、現状が排他的になっているとは思っていません。)

 

 

 

そんな中で、少しでも「オンラインディベート」のアクセシビリティーを上げるためにも、ひとまずその手段について紹介してみようかと思います。

 

※以下、パーラメンタリーディベートの場合についてです。アカデミックディベートの場合は適宜改変しつつ参照して下さい。

 

 

<実施手段について>

Skype(/LINE)

最も無難かつ普通に便利です。Skypeは、アカデの練習試合では最もよく使われているものかと思います。LINEで実施するというケースも比較的よく聞きますが、両者の機能に大差はないと思いますので、Skypeを例に挙げて説明します。

 

[前提]

Skype/LINEのアカウントが必要。

・どちらの場合も課金せずともほぼ全ての機能が使える。

 

[試合前]

1. 参加者全員のSkype IDを収集する。または、代表者1名がグループを作成し、「他の参加者を招待」→「リンクを共有してグループに参加」へと遷移し、「リンク経由でグループを共有」をオンにする。そのリンクを参加者全員に共有する(参加者はリンクを踏むことで参加可能)。

2. 試合に関わる人(ディベーター、ジャッジ、観戦者など)でグループ(以下、「大グループ」と表記)を作る。同時に、プレパ用(準備時間用)のグループも作る。

 

[試合直前]

1. 参加者全員が通話に参加した状態で、大グループにおいて論題発表を行う。

※この時、用意したスライドの画面を映す形で発表を行ってもよいし(「画面を共有」を選択し、参加全員が同一画面を見られるようにする)、チャットで論題発表を行ってもよい。

2. 一旦大グループでの通話を終了し、プレパ用のグループにて準備を行う。

3. 試合開始時刻になったら、プレパ用のグループでの会話を終了し、大グループでの会話に移る。

 

[試合中]

・必要な時(ジャッジによる進行、ディベーターのスピーチなど)を除き、マイクはミュートにしておく。

・POIをする場合は、一時的にミュートを解除した上で行う。

・時間は各自で測る 。または、ジャッジや手の空いている人などが「画面を共有」を利用して、タイマーの画面を全員が見えるように映す(スピーチ時間を明確にすることができる)。

・参加者の顔は映してもよいし、映さなくてもよい。通信に不安がある場合は、全員顔を出さない、もしくは話しているディベーターとジャッジのみビデオを有効にする(アイコンタクトを取ることができる)。

・試合中、プレパに使用したグループを利用して、チーム内でのコミュニケーションを取ることができる。通話画面に現れる「チャット」のマークを押し、プレパ用のグループに行き、そこでテキストでチャットすることができる(例えば、付箋代わりに言ってほしいことを伝えることが可能)。

※この機能が使えるかということだけでもかなり差が出るので、この使い方を必ず共有しておく。

 

[試合後]

1. ジャッジは大グループを退出し、ジャッジのグループにて協議を行う(複数人ジャッジの場合)。

2. 準備ができ次第、通常通りコメントをする。

3.  試合終了後、プレパのグループなどを解散しておく(特に、内輪で複数試合をこなす場合、グループが増え過ぎないように整理をするため)。

 

[この方式でのメリット]

 ・時間を柔軟に調整できる(Asian短縮、NA短縮など変則的な時間の場合等)。

・音質の面では特に支障がない。

・工夫次第では、通信量を抑えることができる。

[この方式でのデメリット]

・全員がSkypeアカウント(及びその元となるMicrosoftアカウント)を所持している必要がある(とはいえ、比較的普及しているプラットフォームであると思われる)。

・全員のIDを収集する/リンクを共有するのが面倒。

 

 

 

 

②Zoom

大会での採用が多い方式です。ビデオを映すことができるので、不正防止という観点では使い勝手が良いのでしょうか。音質は良いです。但し、無料版では多少の制限もありますので注意が必要です。

 

[前提]

・Zoomアカウントの作成が必要。また、使用する際にはアプリケーションのインストールが必要(PC版では通話開始前、スマホ版では最初から)。

無料版のZoomアカウントでは、1回のセッションは最長40分となる。 会議に3人以上入った時点で、制限時間(40分)のカウントは始まる。

 ※スピーチ時間の途中に会議が強制的に終了されることもあるので、注意。

 

[試合前]

1. 会議をホスト(主催)する代表者1名が、ブレイクアウトルーム機能を事前に有効にしておく。(PC版の設定から「個人」→「設定」→「ミーティングにて(詳細)」と辿る。)

ブレイクアウトルーム…参加者を複数の部屋に分割することができる機能。各部屋に、手動で人を割り振ることができる(ホストのみ)。終了させられるのもホストのみ。ホストもいずれかの部屋に入ることが可能なので、ディベーターが会議をホストしてもOK。但し、トラブル等への対処を考えると、ジャッジがホストとなるのが好ましい。

2. 複数の会議(無料アカウントの場合)を以下のようにスケジュールする。この際、「ホストより前の参加を許可」をオンにしておき、「ミーティングパスワード」を無効にしておくと便利。また、個人ミーティングIDは使用しない。

[Ⅰ]論題発表&プレパ、[Ⅱ]試合、[Ⅲ]リフレク

※ホストが一番乗りで来るとは限らないので、「ホストより前の参加を許可」をオンにしておくことを推奨。

※40分という制限を踏まえると、この程度の会議数に分ける必要がある。形式によっては[Ⅱ]を2つ用意する必要がある。なお、有料アカウントが会議をホストする場合、会議は1つのみでOK。

※同じミーティングIDで、何度も同じ会議が再開できるようなので(但し30日以内)、上記のように[I]〜[Ⅳ]までの会議を設定する必要はありません。そのため、40分の制限に到達する度に同じミーティングIDを入力し続ければOKです。上記の方法は、区分けを明確にしたい場合のみ使うと良いかもしれません。(3/19 追記)

3. 取得したミーティングIDを参加者全員に共有する(どの時間にどのIDを使うかも明示しておく)。

4. 試合中のチャットの場所を予め確保しておく。(※1チームが3人以上の場合)

※Zoom上のチャットでは、全員または特定の1人しか送ることができない。また、同時に複数の会議室に入ることができないので、試合中に情報交換を行いたい場合は、事前にLINEなどで予めグループを作っておく。

 

[試合直前]※以下、無料アカウントの場合について

1. 参加者全員が[Ⅰ]の会議の通話に参加した状態で、大グループにおいて論題発表を行う。

※この時、用意したスライドの画面を映す形で発表を行ってもよいし(「共有」→「画面」を選択し、参加全員が同一画面を見られるようにする)、チャットで論題発表を行ってもよい。

2. ホストはブレイクアウトルーム機能を利用し、各サイドのプレパ部屋を作成する。

3. プレパ時間終了後、[Ⅰ]の会議を退出・終了し、[Ⅱ]の会議に移る。

 

[試合中]

・必要な時(ジャッジによる進行、ディベーターのスピーチなど)を除き、マイクはミュートにしておく。

・POIをする場合は、一時的にミュートを解除した上で行う。

※「手を挙げる」というそれっぽい機能もあるが、判別がほぼ不可能なので発言するべき。

・時間は各自で測る 。または、ジャッジや手の空いている人などが「共有」→「画面」から、タイマーの画面を全員が見えるように映す(スピーチ時間を明確にすることができる)。

・参加者の顔は映してもよいし、映さなくてもよい。通信に不安がある場合は、全員顔を出さない、もしくは話しているディベーターとジャッジのみビデオを有効にする(アイコンタクトを取ることができる)。

・チームメイトとコミュニケーションを取りたい場合、事前に作成したチャットを利用する。

 

[試合後]

1. 全スピーチが終了したら、ホストがブレイクアウトルーム機能を利用し、ジャッジ用の部屋を作る。

2. ジャッジのディシジョンが決まったら(もしくは会議が強制的に終了となったら)、[Ⅲ]の会議に移る(まだ決まらない場合は、再度ブレイクアウトルーム機能を利用する)。

3. [Ⅲ]の会議でコメントを終え、解散。

 

[この方式でのメリット]

・時間を柔軟に調整できる(Asian短縮、NA短縮など変則的な時間の場合等)。

・音質は良い。

[この方式でのデメリット]

・全員がZoomアカウント所持している必要がある。

・特に無料アカウントで会議をホストする場合、操作に慣れていないとかなり戸惑う可能性がある。

・通話品質の代償として、比較的通信量がかかる(そのため、大会本番を忠実に再現した練習でない限りは、ビデオをオフにすると良い)。

 

 [補足]

・ミーティングを開始したら、「詳細」→「ミーティング設定」→「接続時間を表示」をオンにすると良い(時間の目安となる)。

 ・有料アカウントがホストした会議の場合、参加者が無料アカウントであっても、会議時間は無制限となる。そのため、上述のように複数の会議に分けることなく、1つの会議で完結させることができる。

 

 

 

 

 

 ③Mixideahttps://mixidea.org/

最近急速に普及しているオンラインディベート専用のプラットフォームです。 ちなみに、アカデ専用のものもあります(https://academic.mixidea.org/)。

ディベートに最適化されていますので、機能性はかなり高いです。最近では、海外の大会や海外の大学の練習にも頻繁に使われています。日本の高校でも定期的な練習を開催しているところもあります。

 

[前提]

FacebookまたはTwitterアカウントでのログインが必要。Facebookアカウントの方が推奨されている。

※大会などで特別に依頼があった場合は、メールアドレスでのログインも可能。

(Mixidea運営者様よりご指摘を受けました。訂正してお詫び致します)

 

[試合前]

1. ユーザー登録を済ませた後、「Create Event」から指示に沿ってスケジュールをする。

※練習に参加するメンバーを限定する場合(部内での練習など)、「Invited」を選択する。または、Groupを予め作成し「Group Member」を選択する。

2. (Invitedの場合)ユーザーを招待する。招待されるユーザーも登録を済ませている必要がある。

 

[試合直前]

参加するイベントをクリックし、「Join Debate」から入る。あとは指示に従う(論題/形式の設定、チーム分けなど)。

 

[試合中]

試合進行やスピーチ時間の終了、POIの時間などはシステムの方で全て行われる。指示に従って利用する。

試合中のチャットも用意されている(右下のチャットマークをクリックし、自分のサイドのチャットを使用する)。

 

[この方式でのメリット]

ディベートに最適化されているため、非常に便利。

[この方式でのデメリット]

 ・Facebook/Twitterアカウントが必要。

・NA短縮(4,4,3や5,5,3)、HPDU連盟杯形式(5,5,5,4)等には対応していない(とはいうものの、スピーチ時間を早く切り上げるなどして対処することは十分可能)。

 

 

 

 

ここまで書いてきて、「目新しいことってほとんど何もないな…」とか思ってしまったのですが、ひとまず自分のためにも体系化した、という感じです。

それでは。