UnderBridge@ディベートブログ

英語ディベートに関するブログです。初級者向け資料、大会感想、etc… 暇潰し程度にご覧下さい。

【閑話休題】高校生も出場可能なAsian Styleの大学生大会

こんにちは。一足早く昨日から春休みに入ったUnderBridgeです。

夏休みの時に痛感したのですが、人間、莫大な暇を与えられると結構無為に過ごしがちな気がします…。もちろん、数日間何もしない日があってもいいと思いますが、何か目標なり計画を立てたりしないと、「気づいたら終わってた、この2ヶ月何してたんだろ…?」という虚無感を抱くことになりそうです(というかなりました)。かくいう私はまだこの春休みの目標を立てている訳ではないですけど…

こんな知識がどこで役に立つのかは知りませんが()、頭の片隅にでも入れてもらえると将来役立つかもしれません(?)

 

 

さて、前置きが長くなりがちですが、今回はタイトルにもある通り、高校生の皆さんでも参加可能なAsian Styleの大学生大会についてご案内したいと思います。別に大会運営者の回し者でもなんでもないのですが、せっかくなら…といった形です。今年の3月に開催されるものについて記載しています。

あとなんか書くところが無かったのでここに書いておきますが、joint(他校の人と組むこと)も可能なので、その辺りも魅力かもしれません。大学生と組んでも面白いかもしれません…?

 

【目次】

 

《注意点》

参加について

初めに書いておきますが、僕自身は高校生の大学生大会参加を積極的に推奨している訳ではなく、比較的中立的な立場です。もちろん、大会運営者の視点からすれば、より多くの皆さんに参加して欲しいと思うことは至極当然のことですが、僕個人としての立場を表明すれば、きちんと利益を衡量した上で出場を考えた方が良いと思います(理由は後述しています)。お金も時間もかかることですし…。

ただ、出場する意思があるのにも関わらず、情報格差などの影響で出場できなくなってしまっているという状況が発生しているのであれば、それは大きな問題だと思いますので、この記事を通じて少しでも多くの皆さんに届くことを願っているところです。

 

レベル感

参加者層

「大学生大会」と言っても、細かく分けると主に以下の3タイプが存在します。

  • 学年大会:特定の学年(厳密には一定の経験年数以下のディベーター  e.g. 1年以下)を対象とした大会。1年生大会は数が多い。
  • 学生大会:大学生(院生を含む)を対象とした大会。
  • オープン大会:社会人を含めた全てのディベーターを対象とした大会。

上2つのタイプの大会において高校生の参加を認めるかどうかは大会ごとの判断となっていますが、オープン大会は原則誰でも参加可能です。今回ご案内する2つの大会はいずれもオープン大会となっています。

ただし、(もうお分かりかもしれませんが)レベルは他2つのタイプの大会と比べると高くなります。もちろん、ポケモンみたいに(?)単純に年数=経験値となる訳ではないので、大学生が社会人を下剋上する…なんてことはよくあるのですが、全体的に見てレベルが高く傾向はあります。

一方で、(これも後述していますが)初心者のみ対象の決勝トーナメント進出枠などが存在する大会もあるため、一定の配慮はなされていると言えると思います。ただ、どっちにしろ予選ではとても強い人たちにボコボコにされる可能性はあります(まあ、これは大会の性質上、そういうものだとしか言えません…)。

論題

後半部分に当該大会で過去に出題された論題一覧へのリンクも掲載していますので、ご自身で確認していただいた方が早いかと思いますが、オープン大会ということもあり、論題のレベルはかなり高くなっています。特に、「Asian Styleの大会だしHPDU連盟杯の練習になるかも!」と思って参加する高校生の方もいらっしゃるかもしれませんが、論題自体が練習に使えるかと言われると微妙なところです(HPDU連盟杯の過去論題で練習した方が得られるものが大きいかもしれません)。

僕自身が現役でやっていた頃に比べるとHPDU連盟杯の大会のレベルも相当上がっていると思いますが、それでもやはり大学生大会、特にオープン大会との差はあるように感じます。

以上を踏まえて

ネガティブなことばっかり書いているようですが、もちろん良い経験となる部分も多いと思います。大学生/社会人ジャッジからのフィードバックを得られる希少な機会でもあると思いますし、対戦相手のレベルの高さなどは高校生大会では体験しにくいものかもしれません(とはいえ高校生のレベルも僕の目からすると相当上がっているように感じますが…)。その意味では、貴重な経験になると思いますし、出場したことで得られたフィードバックなどがHPDU連盟杯や今後のディベートに活きる可能性もとても高いと思います。

また、Asian Styleに慣れるという意味の練習にはもちろんなると思います。Whipありの実戦経験を積むことはもちろんできます。取り組まれる時期が短い形式ではあると思いますので…(ただ、それだったら大学生大会に出るよりは他校と練習試合組んだ方が良さそうでは?という気もします)

という感じで、個人的には

  • HPDU連盟杯対策が主眼というよりは、レベルが高い環境で楽しみたい方/チャレンジしたい方
  • Asian Styleの実戦をする機会がほとんどなく、論題は何でもいいのでとにかくWhipがしたい方(こちらは少数派だと思いますが)

あたりの皆さんには適しているのかな…?と思っています。ただ、これはあくまで僕個人の考えなので、(「それってあなたの感想ですよね?」と言われたら「はい…」としか言えない)絶対視はしないで下さい、あくまで参考程度に…

いずれにしても、もちろん良い経験になる(チャレンジしないと得られないものってあると思いませんか?たぶん)とは思いますが、その分かかるコスト(時間的な意味でも、金銭的な意味でも、その他諸々の意味でも)はありますので、必ずご自身でそれらを衡量して考えることをお勧めします。

 

細かいルール

ご存じだとは思いますが、HPDU連盟杯全国大会の大会形式は以下のようになっています(都道府県大会は結構まちまちですね)。

  • 予選:準備時間20分、スピーチ時間は5,5,5,4
  • 準々決勝、準決勝:準備時間25分、スピーチ時間は5,5,5,4
  • 決勝:準備時間25分、スピーチ時間は7,7,7,4

一方、似ている部分は多いのですが、Asian Styleの特徴を列挙します。

  • スピーチ時間は7,7,7,4
  • 3 motion制
  • 準備時間30分(Veto 5分+25分)

スピーチ時間は共通なのでいいと思いますし、その他の大枠のルール(スピーカー毎の役割など)も共通しているので省略しますが、下2つが「??」となる方も多いと思うので、簡単に解説します。

Asian Styleでは、1つの試合に対して論題が3つ出されることとなっています。この3つの論題のうちどれをやりたいかをチーム毎に考えるのが「Veto」の時間(5分)です。5分が経過した後は、ジャッジの指示でお互いの希望順を示し合わせ、論題が決まります。その後、25分間かけて準備が行われます。

Vetoの手順としては、

①チーム内で5分間協議し、やりたい順に1,2,3を付ける(3=最もやりたくない論題)

②自分のチームと相手のチームのVetoの数字を足し、その数が最も小さい論題が選択される

という流れになっています。数学的に(?)考えれば分かるかと思いますが、どちらかが「3」を付けた論題は、絶対に実施されません(3をつける論題のことを「Vetoする論題」と言ったりします)。また、もし合計値が「3」の論題が2つあった場合は、じゃんけん等によって決定します。

どんな基準でVetoすればいいかは、Mitsushi Ono様のこの動画を見て頂ければ大体OKだと思います!(ざっくりと言えば、自分たちが話しやすそうな論題かどうか、などが大事だと思います)

www.youtube.com

 

申込方法

申込のプロセス

細かく見てみると実は高校生大会も同じだったりしますが、大学生大会では①Invitation (1st Phase、通称「インビテ」) と②Application (2nd Phase、通称「アプリケ」) と呼ばれる2つの申込プロセスを踏む必要があります。

Invitationではおおまかな情報(参加者名までは求められないことが多い)、Applicationでは詳細な情報(参加者名や所属など大会当日に関わる情報、参加費の振込など)が求められます。Invitation時に申し込まなくても、Applicationからの参加も可能という大会も多いですが、Applicationから参加可能なチーム数には上限が設けられていることが多いため、参加を希望する場合はInvitation段階から申し込んだほうが確実でしょう。

Invitationの締切後にApplicationが公開される、という流れになっています。Invitation、Application共に締切は厳守しましょう。また、参加費の振込などで困る部分があると思いますので、参加を希望する際は高校の顧問の先生などに助けを求めた方が良いかと思います。(別に僕のTwitterのDMに来ていただいてもいいですけど…)

また、概ね1チームにつき1名の「提供ジャッジ」を出す必要があります(大会参加の要件となっています)。「提供ジャッジ」とは、各チームが連れてくるジャッジのことで、大会への参加を希望するチーム自身で見つける必要があるものです。学校の卒業生とかを頼るのはいいかもしれませんね。

ただし、高校生に対して優遇措置を講じている大会もあるようです。どうしても難しそうな場合は、大会運営者に対して早めに問い合わせを送ることをお勧めします。困ったことや分からないことがある場合も積極的に問い合わせを送ってください。

情報源

情報の発信ツールとして主に使用されているのはFacebookです(後半部分でもリンクは貼り付けています)。Facebookページ上に大会参加に際して必要な情報や運営者への連絡先(メールアドレス)などは全て載っています。また、Applicationの開始のお知らせなどはもちろんのこと、タイムテーブルや使用するZoomリンク/Discordサーバーなどは直前に送られて来ることが多いため、こまめにチェックすることが重要です。

大会は夜遅くまで及ぶケースが大半です(試合自体が夜9時近くまで及ぶことがあります)。学校等で行うことを考えている場合は、注意が必要です。(多分難しいと思います)

また、直前になると「コンフリクト申請」なるものが行われます。大半の高校生ディベーターには関係がないとは思いますが、同じ大学の人が同じ大学の人をジャッジするといった事態を避けるために設けられている制度なので、頭に入れておくとよいかもしれません。

 

 

《ご案内》

・両大会ともオンライン開催です。

 

Kanto Debate Open 2022(3/5~6)

Facebookページ]

www.facebook.com

[概要]

Invitation締切:2/16(水)23:59

参加費:1人2700円(予定)

ブレイク(決勝トーナメント進出枠):ルーキー枠あり(※高校生のチーム数によっては、高校生専用のブレイク枠も検討するとのことです)

母校のスケジュールを見たら期末試験の日程と被っていました。皆さんもそんな感じですかね…?

もともとはオリンピックセンター(HPDU連盟杯全国大会と同じ会場)での対面開催を目指していたため、Kanto Debate Openという名前になっていますが、コロナの影響を受けオンライン開催へ変更されました。もともとはKeio Debate Openという大会です。その名の通り、慶応大学が主催しています。

CA(Chief Adjudicator:ジャッジ陣のトップ、論題作成などを行う)にWUDC 2019 EFL ChampionのTakua Babaさん(宇都宮高校出身)を迎える、豪華な大会となっています。

[過去論題]

resources.tokyodebate.org

「大会名違うじゃん!」と思われるかと思いますが、Keio Debate Openの前身はDebate no Susume(通称ディベすす)と呼ばれる大会でした。大会名改称後の初大会となる予定だったKeio Debate Open 2020はコロナの影響で中止されてしまい、Keio Debate Open 2021が改称後初の大会となりました。

 

The Kansai 2022(3/19~20)

Facebookページ]

www.facebook.com

[概要]

Invitation締切:2/15(火)23:59

参加費:未定(昨年は高校生は1人1400円)

ブレイク(決勝トーナメント進出枠):ルーキー枠あり

名前の通り、もともとは関西で開催されていた大会です。交通費のハードルがなくなるのはオンラインの大きなメリットですね。

身近な(?)ところで言えば、WSDC Team Japan 2020のメンバーであるRina Kajitaniさん(渋渋出身)がDCA(Deputy Chief Adjuducator:CAと共に論題策定などに当たる)に入っています。1年生でDCAに入る人はかなり珍しいので、とても凄いと思います…(ある程度の実績が必要になるポジションなので)。今年のUTDS(東京大学の即興型英語ディベートサークル)の副部長でもあります。頭が上がりません。

[過去論題]

resources.tokyodebate.org

2021年のRound 3、何も分からなくて泣きそうです()。まあそういうこともあります。

ちなみに今上げている過去論題リストはUTDSで管理しているものです。IT担当と呼ばれる担当の皆さんが主に保守管理にあたっています。こちらにも頭が上がりません。

 

という訳でなんだか余計な話もいっぱい書いた気がしますが、以上が簡単な(?)案内になります!

ではでは~

 

(※3/2 追記)

Sophomon Cup 2022(3/26~27)

Facebookページ]

www.facebook.com

[概要]

Application締切:3/15(火)23:59

参加費:1人2500円

ブレイク(決勝トーナメント進出枠):ルーキー枠あり

 

若干の地位の濫用感が否めませんが()、本大会について宣伝させていただきます。HPDU連盟杯全国大会と日程が被っているということで、参加できる皆さんはそこまで多くないかもしれませんが、一応…

本大会は上に紹介した2つの大会とは異なり、大学2年生以下を対象として学年大会となっています。そのため、大会のレベル感的にも比較的やりやすいかな…?という感じです。また、九州出身の運営メンバーが多いこともあり、副賞として九州の豪華グルメを用意しています!

僕自身は大会のCommunication Director(参加者との情報連絡係)という立場でこの大会には関わっています。まあ宣伝したい気持ちはありますが、この記事の最初に述べているようにあくまでも皆さんがご自身で考えて出場を決めていただくのが一番だと思います。ご興味があればぜひご検討下さい!

大会について分からないこと等あれば遠慮なく大会運営のメールまで、あるいは僕のTwitterまでご連絡ください。即レスを目指します()