UnderBridge@ディベートブログ

英語ディベートに関するブログです。初級者向け資料、大会感想、etc… 暇潰し程度にご覧下さい。

【閑話休題】WSDCのBA前に勝手に不安がっていた話

こんにちは。WSDCが気になって期末レポートが進んでいなかったUnderBridgeです(言い訳)。もう少し大学生は暇だと思ったんですけど、違いましたね…

 

さて、WSDC Team JapanがMacau Online WSDC 2021で日本史上初のBreak(決勝トーナメント進出)を果たし、大変めでたい訳ですが、その裏で勝手に1人で不安がっていた人物の話をしようと思います。

笑い話として読んでもらえればと思います。先に言っておきますが、大した話ではありません(笑)

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7/30  23:22「今から5勝チームが何票取ってるかカウントしてきます」

OBにも関わらず、迷惑なことに部内のSNSにWSDCの情報を流し続けた私は、R8の結果が出揃ったのを見て、流れでこんなメッセージを送った。

お気づきの方もいるかもしれない。なぜ5勝しているのに票数を数えなければならないのか。ブレイクできるのが昨年同様12チームだと思っていたからである(後に間違いであると発覚)。

 

まず、どのようにブレイク順が確定されるかを念のため再確認。

 

For the Break
Teams will be ranked by (1) Number of wins, (2) Sum of ballots won, and (3) Average Total Speaker Scores.

(Macau Online WSDC 2021 Tab Briefingより) 

 

票数が重要になることは間違いなさそうである。

Tabのリンクを入手、「チーム順位」の項目を選び、結果を確認する。

すると、8勝が1チーム、7勝が1チーム、6勝が4チーム。ここまでは確実にBreakできる。

日本を含む5勝チームは合計9つ。上位12チームに食いこむためには、この中の順位取りが重要となる。

 

5勝チームのR1~R8までの結果を全て確認し、票数を算出する作業に入る。集計中に嫌な予感が走る…

 

17票→1チーム

16票→3チーム

15票→3チーム

14票→1チーム

13票→1チーム

 

5勝チームのうち、ブレイクできるのは6チーム。つまり、15票チームの中でボーダーが引かれることとなる。

なんと日本は15票。対抗馬はインド、ベトナム。この2チームのどちらかよりも高いスピーカースコアを取っていなければならない。

 

そういうわけで、私の中で、Team Japanのブレイク確率は「100%」ではなく「66%」だった。Breakを祝福する様々な投稿を目にしたが、なんとも嫌な予感しか感じず、不安を抱えたまま布団に入るのだった…

 

7/30 23:42「明日のBreaking Announcementを不安な気持ちで迎えているのはここだけです」

 

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しかし、幕切れは意外と呆気なく訪れた。

7/31 00:11「あ、規約的に大丈夫なやつなのか」

 

では、ここから先は勘違いの原因を紐解きつつ、WSDCのブレイクに関する規定に詳しく見てみることにしよう。

まず、昨年のOnline WSDC 2020においては、各Divisionの上位12チームがブレイクした。これは事実であり、予め定められているルールであった。

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しかし、これはオンライン化・予選6試合化に伴う例外的なルール設定だったのである。

では、予選が8試合に戻ったWSDC本来のルールはどのようなものであろうか。

 

7.5 Break Rounds - More Than 47 Teams

(a) If the total number of teams in the draw at the beginning of the tournament is more than 47, the number of teams which qualify for the knock-out rounds shall be as follows: 

(i)   If 24 or fewer teams win 5 or more preliminary round debates, 24 teams shall qualify for the knock-out rounds, 

(ii) If more than 24 but less than 32 teams win 5 or more preliminary round debates, the number of teams which qualify for the knock-out rounds shall be the number of teams which won 5 or more preliminary round debates or half the number of teams competing in the preliminary rounds (rounded down to the nearest whole number), whichever is the smaller number of teams,

https://wsdcdebate.org/resources  より)

 

今回のWSDCでは、5勝以上したチームはHegelで14チーム、Pandaで15チームであった。つまり、(ii)のケースに該当する。

よって、そもそもWSDCのルール上、5勝がブレイクの要件だったのである。チーム数に上限が設けられている訳ではない(5勝チームが32チームより多いときは、上位32チームに限られる)。

 

 

個別ケースに該当するルールだけでなく、より上位の包括的な規則を確認すべきという、法学の学習にありがちな教訓をここで身をもって学ぶことになったのでした。